ネパール通信

ネパールでのボランティア活動報告を通して、生きた現地情報をお伝えします。

ネパール人の「嘘と本当」

3月3日(月)天気:満天の星 気温:14℃ 湿度:64%

ひな祭りだよ~!!

ここネパールに来て、そろそろ10年と言う時が過ぎようとしている今、
初めて来た当事の事を思い出しながら「ここの人の考え方」を思い返してみたい。


1970年代には、町も今ほど大きくは無く空港も小さなものであった。
トリブバン国際空港は、日本の地方空港に近い空港で「有視界飛行」での離着陸であったがために、
パイロットには過酷な空港でもあった。
何せ「おわん:狭い盆地」の中の滑走路に着陸するのである。
当事は、着陸出来ると機内の乗客はベルトを外して立ち上がって「拍手喝采」が常であったと記憶する。
まだ滑走路を動いているにもかかわらず!

特にポカラの空港などは、滑走路も「これが飛行場?」と首を傾げたくなるほどの粗末な状態で草原であり、
空港前には今でこそ整備されて綺麗なビルも建っているが、当事はバラックが建ち並んでいて、
ホテルやレストランと言った外国人相手の店が多かった。
そこにはヒッピー(ヨーロッパ人や日本人)も多くいて、大麻や麻薬なども頻繁に売買されていた。

そんな時代から見ると「何と大きな変化だろうと」思うが、
40数年と言う時間はネパールの人々にとっては100年以上にも思えるほど、急激な変化であったろうと推察する。
幾度と無く起きる「内戦」に翻弄されながら、
それでも生きてきた彼らには「今ここで立ち上がらねば」と言う思いが常にあった事だろう。

何千人と言う内戦孤児を作りだし、国王さえ射殺され、その後継者も追放された今、
内戦を起こしたマオバティーも先の選挙で落選。
それでも尚、物資だけは近隣諸国から頻繁に入ってくる。

なぜなら、インドや中国からの輸入物資の量が「流通機構や道路整備」によって急速に増量してきたからである。
身にしみて感じる「文明の発展」に追従しなければ「何時立ち上がれる」のかどうか分からないからである。
遮二無二「仕事にしがみつく」以外にない。

そんなネパールで生きる彼らには「越えられない」幾つかのハードルが存在し、
カーストもその一つではあるが、まずは「現金収入」の道である。
それらを拒んでいる最大の問題、それはエネルギー(電力)であろう。
ガソリンもその一つではあるが、多くのネパール人にとってはバスさえあれば問題ではない。
電力は40年前とさして変化はなく、ここ数十年毎年乾季の停電が続いている。

雨季になっても、殆ど毎日数時間は停電がある。
乾季の時期には最大で18時間もの停電が実施され、インバーターによる充電すらままならないのが現状である。
そんな事情では、工場も出来るはずがない。
従って、仕事に在りつけない人々が溢れる事となるのである。

私が定年を向かえここにやって来た当事(2004年ごろ)でも、まだモバイルなどは持っている人は少なかった。
しかし今は、殆どの人たちが持っている。
中国やインド、韓国製品が主で日本製は極僅かである。
そんな国が現在のネパールである。

では彼らは如何にして生きるのかは、自ずと決まってくる。
それは、他人に自分の本当の姿を見せない事である。
なぜなら奪われるからである。
ハイエナのような人々が「うようよ」居るここネパールでは
「現金や貴金属」は持っていないような「振り」をしないと奪われる原因となる。

ここで、「嘘」が出てくるのである。
これは防衛手段としての「嘘」ではあるが、何処までの人間関係なら「本当の事」が話せるのだろうか?
しかし、それでは人々の生活に支障が出てくるのではと心配になるが、それで現在まで国として動いているから驚く。
現在の日本では、とても考えられない事ではあるが事実である。
こうした状況を作り出しているのが「カースト」でもある。
特に就職などは、コネとカーストで決まると言っても過言ではない。

では、日本人には全く馴染みの無い「カースト」とは一体なんだろう?
これについては、「山際素男さん」の著書「不可触民:アンタッチャブル」の中で説明されているものを
引用させていただき、カーストの概念を少しでも理解していただければ幸いである。


《不可触民》より  (インドにおけるカーストとは)

「外国人が接触するインド文化とは、つまりブラーミン文化、
知識階層にすぎず、それをインド国民の代表意見としてしまいます。
インド人の3パーセントにすぎぬブラーミンと2パーセントの英語を解するインド人、
それがインド国民全体の代表面をし、かつ「支配」しているのです。

つまり、1億人以上の「不可触民」が残りの国民の生活の汚れた部分の仕事を担って居る訳であり、
こんなお金の掛からない重宝なカーストを手放すはずもない。
つまりは「奴隷」である。
善悪は別にして、これが世界に二つと無い「インド」と言う国を支えているのである。

ガンジーやネールでさえが「不可触民」を肯定しているのである。
ただ一人、「アンベードガル博士」のみ「不可触民」の生きる道を考えて行動していたに過ぎない。
他には誰も居ない!

ここネパールでも近い考え方でカーストの存在がある。(法律上は無くなっているが・・)
そんなネパールにあって、「本当の話」の出来るはずもないのが少しは理解できるかもしれない。

こうしたカーストに縛られた彼らには、「嘘も本当も」どちらも善であり正しく、全ては身を守る術である。
日本では、あらゆる「欲」が「見栄を張らせ嘘」を生む。
その「生まれた嘘」は勝手に大きくなり自分の「墓穴」となる。

今回は、少し愚痴っぽくなった事をお許し願いたい。



銀杏旅館から見た「雲海に浮かぶヒマラヤ」
IMG_2279.jpg
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では次回「ネパール通信」まで。



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  1. 2014/03/03(月) 11:35:30|
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プロフィール

筋田 雅則

Author:筋田 雅則
20代半ば、岐阜県山岳連盟の
カシミール遠征隊へ招聘
その帰り、初めてネパールへ立ち寄る。

その後、ネパールの同宿の山仲間と、
「学校づくり」を開始し約30建設
ネパール支援を何十年も繰り返し、
定年退職後、ネパールへ移住。

現在はカトマンドゥ在住、
ラムチェ村を中心にボランティア活動を行う。

ブログでは、ネパールでの
ボランティア活動報告を通して
生きた現地情報をお伝えしていきます。

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